バガヴァンの人類への奉仕の任務はとどまるところを知りません。
水はエネルギーの源です。私たち地球に暮らす者にとって、水は生命を維持するためになくてはならないものです。また、水は、霊的には純粋さの象徴であり、浄化の作用を持っています。したがって、水が得られずに苦しんでいる人々に、その水を提供することは、最も尊い奉仕の一つであると言われています。
南インドのアンドラプラデーシュ州、アナンタプール地区に住む350万を超える人々は、過去40年にもわたって、旱魃と、それによる食料飢饉に苦しんできました。深刻な水不足に対して、インド政府は何の対策を講じることもできず、飢えと渇きの中で死んでいく人々をただ見殺しにするしかなかったのです。
この地区に住む主婦たちは、日課の中で最もつらい仕事は水汲みであると訴えています。彼女たちは毎日、暑い日差しのなかを裸足で、水を求めて遠い水場までの道のりを二回も三回も往復するのです。時には子供の手を引いて、複数の水瓶に20Kgもの水を運ぶ苦労、それは大変なものです。
地上に降臨した神の化身、バガヴァン シュリ サティア サイババは、69歳の降誕祭の折り、インド首相P.V.ナラシマ ラオ閣下隣席のもと、彼らが直面している深刻な水不足対策の必要性について言明されました。このことは、バガヴァンの人類に対する深い配慮と心遣いを表わすものです。「シュリ サティア サイ 恵みの水 プロジェクト」と名付けられた、数多くの尊い生命に関わる大プロジェクトは、水不足に苦しむ人々の切実な祈りの声に応えるべく、アンドラ プラデーシュ州政府との協力のもと、こうして始められたのでした。
「シュリ サティア サイ 恵みの水 プロジェクト(以下「恵みの水」プロジェクト)は、慢性的な旱魃傾向にあるアナンタプール地区全体を対象として行われています。この地域でかろうじて得られる水(井戸水)は、フッ素化合物含有量が多いため、飲料水には適していません。地区全体の飲料水のフッ素含有量の平均値は、WHOの基準の5倍となっており、中には75倍という所すらあります。そのため、皮膚癌をはじめとする様々な疾患や中毒症状が引き起こされています。また、水の入手が困難なことから、同じ水を繰り返して使用するという非衛生的行為が原因で、人々が健康を損なう事態も生じています。
「恵みの水」プロジェクトは、こうしたアナンタプール地区の19,130Km2に及ぶ、350万人以上の苦しんでいる人々に、フッ素中毒症を防ぐ処理を施した飲料水を提供することを目的としているのです。
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