サティヤ サイ ババ ―― 聖なる伝説の人
前インド大統領A・P・J・アブダル・カラーム博士
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2011年4月22日 ヒンドゥスタン タイムズの記事



私はバガヴァン シュリ サティヤ サイババを高く評価しています。それは、農村地域の人々のための飲料水の供給、農村地域の貧しい人々のための無料の医療施設、無料の高等教育などを通じた、ババの私心のない仕事の業績と、人々の幸せに対する貢献のためです。

人材開発のために欠かせない主要素は、価値を基盤とした教育と、質の高い健康管理です。それに加えて、飲み水を入手可能にするためのインフラの整備は、人材育成に欠かせません。政府は、これらの資源を市民に供給するために積極的に取り組んで来ましたが、ババは、過去40年以上にわたって、インドの人々、特にアーンドラ プラデーシュ州とカルナータカ州に住む人々にとって必要不可欠な資源供給に、敏感に留意して来られました。

このことを念頭に置きながら、ババは、小学校から大学レベルまでの子供たちに、価値観を基盤とした質の高い教育を施すための広大な教育設備を創り、農村地域に特別専門病院を設立しました。病院設立は、そのような内陸部にはまだ医療法人が作られていなかった、1991年当時にまでさかのぼります。またババは、アーンドラ プラデーシュ州のアナンタプル地区の人々に安全な飲み水を供給するプロジェクトに取り組みました。ここで私は、他に類を見ないこれらの機関について論じてみたいと思います。

価値を基盤とした教育

若者にとって一番よい時代は、学校で送る少年少女の時期であり、その中の最高の時間は、毎日の午前8時から午後4時までの学校で過ごす時間です。これは、5歳から20歳までの、都会に住む子供にも、農村地域に住む子供にも当てはまります。

ババは農村地域の貧しい人々の抱える問題に注目して、サティヤ サイ トラストが作ったすべての学校と大学で、完全無料の教育を施すようにしました。

興味深いことに、サティヤ サイの教育機関は、頭脳と心と身体の均等な発達に力を入れています。これは、身体の健康と、頭脳の活発な明敏と、心の純粋さに、同等の重点を置いた総合的な教育を通じて達成されます。教育機関の学長であるババは、かなりの時間を学生たちと共に過ごして、理想的な市民になるように育てています。

シュリ サティヤ サイババは言います。

「学生たちは国家の礎であり、私が大切にする唯一の財産です。学生たちは私のすべてであり、私の全財産は学生たちです。私は彼らのためにこの身を捧げています」と。

ババはまた、「教育の最終成果物は人格であり、知識の最終成果物は愛です」とも言っています。シュリ サティヤ サイ高等教育機関が、学問に長じることを目指す一方で、教育の大切な要素として、人格形成に重点を置いているのはそのためです。

人格の高潔さは、謙虚さ、寛大さ、慈悲、人助けの精神と、道徳的価値の尊重から生まれます。この教育機関の教科課程と、課外活動、学校外活動の全体を貫いている一本の筋は、教育はよりよい人生を送るためのものであって、単なる生活のためのものではないという考え方です。国内の一流の組織や企業はサイの学生たちを歓迎することが経験的に示されています。こうして採用された学生たちのお陰で、仕事の倫理が静かに変化し、チームワークの精神が注入され、組織活動のすべての面において価値観を基盤とした取り組み方が浸透していくと言われています。

恵みの水プロジェクト

1994年に、ババは、ラヤルシーマ地区の人々が安全な飲み水を確保するのに苦労している体験していることを訴えて人々の心を打ち、百年来の問題に、直ちに注意を向ける必要があると提案しました。1995年に、ババは、どれほどの困難や経費があっても、できるだけ短期間に、アナンタプル地区に住む、できるだけ多くの人々に安全な飲み水を供給するという仕事への取り組みを開始することによって、サティヤ サイ トラストによって自らが行っている社会的使命に、新しい側面を付け加えたのです。

地下水を利用することも一つの選択肢として検討されましたが、フッ化物汚染の問題のために、それは除外され、雨季に雨水を引いて専用の貯水池に溜めたものを使うことが決まりました。

大部分の水源はアナンタプル地区の北部にあり、南に向かう地形は昇り勾配になっていました。そのため、南部に水を運ぶには、引力に逆らって水を汲み上げるたくさんの揚水場が必要になりました。これによって、大規模な土木工事を行わなければなりませんでした。あらゆる困難があったにもかかわらず、18か月でアナンタプル地区に飲み水が供給されるようになりました。そして、一年間通常運転を行った後、飲料水の設備全体が、贈り物として、州の職員に引き渡されました。この計画によって、750の村落が恩恵を受け、100万人を超える人々に水が供給されるようになりました。

インドは、国内各地に広く住んでいる10億人もの人々に、費用効率の高い飲み水を供給するために、このような1000もの団体が必要としています。

医療ケア

1980年代には、我が国の都市部に、かなりの数の特別専門医療法人が誕生しました。しかしながら、商業化のために、それらは都市部の裕福層の人々しか利用できませんでした。医療ケアの利用可能性において、裕福層と貧困層、都市部の人々と農村部の人々の間には、大きなギャップがありました。ババは、このことを念頭に置いて、1990年11月23日に、1年後にプッタパルティ近郊に世界最高レベルの病院を建てて、そこでは来院患者全員、特に貧しい人々に無料で医療が施されるようにすると宣言しました。

この病院は、1991年11月22日に開業しました。特別専門病院は、開業以来、数多くの大きな心臓手術や、カテーテル挿入が行われて来ました。インドからも外国からも、有名病院の専門の外科医たちが、自発的に自分たちの仕事の休みを取ってプッタパルティに来て無料で手術を行っています。看護婦の業務も同様です。 回復期にある患者たちが、手術を受けるために病院に来た新しい患者たちを自発的に助けると私は聞いています。また、病院の敷地内は、きれいで、静かで落ち着いた、神聖な雰囲気に保たれています。私たちは、病院の環境全体に奉仕の精神の力が流れているのを見ることができます。


プロジェクト管理

プッタパルティの特別専門病院であれ、アナンタプルのための安全な飲み水の供給であれ、カンダレール貯水池に関係する諸問題を解決することによるチェンナイへの飲み水の供給であれ、予定された時間と経費の範囲内で所定の目的が達成されて、すべての工事が完了しました。どうしてこのようなことが可能だったのでしょうか? 私はそのことについてずっと考えていました。最大の原因は、これらの工事が、社会貢献に熱意を持つ工事監理者や、元請け業者、下請け業者に託されたからであるように思われます。彼らは、協力の精神と、犠牲の精神、奉仕の精神を以て工事を進めました。プログラムの責任者たちは、工事の施工段階で、真実、正しい行い、平安、愛、非暴力という五大価値(中核となる五つの人間的価値)を守りました。国家規模で私心のない社会的変革のミッションを推進する上で、これ以上に素晴らしい手本があるでしょうか?

英語 http://www.sathyasai.org/swamimahasamadhi/AbdlKalamHindustanTimes.html






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