第13話  
Orange Line
 


  サティアは、その信者がグルの財産を横取りしようといういかに悪い動機を持っていたかということ、そしてその為に彼と彼のグルが滞在していた家を去るときにその家の主人に対して草片を返したと説明しました。
 先生はサティアを褒め、同時に他の生徒が質問に答えられなかったことをあざ笑いました。このことにより何人かの生徒がサティアに対して怒りを抱くようになりました。
 それから先生は生徒に対して前日に学んだことを書き留めるように言いました。サティア以外の全ての生徒は書き始めました。先生がサティアに問い質したとき、サティアは学んだことは全て理解してしまったので書き留める必要はないと思うと答えました。先生は彼の答えが気に入らなかったので、椅子の上に立っているようにとの罰を与えました。

椅子に立たされるサティアの写真

 そこでサティアは椅子の上に立ち、他のクラスの生徒はただ驚くばかりでした。授業の時間が終わり、先生は教室を去ろうとして立ち上がったのですが、椅子が先生に引っ付いて、椅子を引き離すことができませんでした。全く戸惑って、先生はその教室で椅子に座り続けました。生徒は先生の困った様子を見て笑っていました。次の授業のメフボーブカーン先生が教室に入ってきて、前の先生がまだそこに居るのを見ると共にサティアが椅子の上に立っているので驚きました。
 彼は椅子が先生の腰に引っ付いて先生が教室から出られないのに気が付きました。そこで彼は先生に彼の処罰が間違っていること、サティアの神聖さについて、そしてサティアに与えた罰を取り下げてサティアを座らせるようにと助言しました。そこで、先生がサティアに座るように頼み、サティアが座ると、それと同時にそれまで先生に引っ付いていた椅子が離れて先生は自由になりました。クラスのみんなは喝采の声を挙げました。但し、サティアに対して怒りの気持ちを持った数人は別 でした。

椅子が離れない先生の写真

 その後、学校が終わってから、皆はチトラバティ川の土手を通 って家路につきました。サティアが授業において正しく答え、それによって先生から叱られたためにサティアに対して逆恨みをした数人の生徒が、サティアに対して仕返しをしました。しかし、サティアは平静さを失うことはありませんでした。そして、彼らはサティアに棘の付いた草の実を投げつけました。その棘の付いた実はサティアの髪の毛に引っ付きました。いつものように、神の子はそれらの生徒に対して怒りとか憎しみでは無しに愛を注ぐことによって、彼らにそのような邪悪な行為が恥かしむべき行為であるということをわからせました。

いじめを受けるサティアの写真

 家に着くと姉がその棘の付いた実を取り除いてくれました。母のイーシュワランマが、ことの成り行きを知ってサティアにそのようなことをした生徒たちを叱責すべきだと言ったとき、サティアは彼女に対して、人は良いことと悪いことに対して同じように冷静であるべきで、どのような理由があろうとも誰をも決して恨んではいけないと言って諭しました。サティアにこのようなことをした少年たちは後にその行為を後悔するようになるから、彼は少年たちに何をすることも望みませんでした。イーシュワランマはこのような学者が言うような回答と説明を小さな子供から受けてただビックリするだけでした。

サティアと家族の写真 少年のクリシュナが如何にしてゴーピカの服を隠し、クリシュナが大人になってからドラウパティが邪悪なドゥシャーダナによって服を脱がされているときに、如何にしてドラウパティに途切れることなく布を提供したかと言うことをサティアが話すとき、サティアの友達たちはまたサティアの博識ぶりを知るのでした。サティアの友達たちはサティアがプラーナ等について適切な説明ができる点にただ驚くばかりでした。
 サティアが説くほとんどのことを彼らは理解することができました。そして、彼らがサティアにもっと明確にして欲しいと頼むと、サティアはいつか適当な時にもっと明確にしてあげましょうと答えました。

乞食に食べ物を提供するサティアの写真

 ある日サティアが姉や近所の人と遊んでいるときに、乞食が何か食べ物をねだっている声が外から聞こえてきました。彼の兄のセーシャマ ラージュは乞食に「行け」と言いましたが、子供のサティアは部屋の奥に入って食べ物を持ってきて乞食に与えました。セーシャマ ラージュはサティアに、このように乞食に食べ物を与え続けるのなら、家でサティアが食べる分をなくすことになるといいました。サティアはあっさりと食事を食べないことに同意しました。そして、イーシュワランマが子供たち皆を食事に呼んでも、サティアは既に自分の食事の分を乞食に与えたから食事なしで済ますと言って食べることを拒否しました。そして、彼は、神は乞食を含めてどのような形を取ってでも顕れることができ、お腹の空いた人とか困った人に食事を与えることは神に与えるのと同じように良いことなんだと、皆に言って聞かせました。イーシュワランマを始め他の家族の者は、サティアが食事を取るように気を変えさせようとしましたが無駄 でした。

 
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