第19話  
Orange Line
 


 サティアが白紙の答案用紙を出したとの噂が広がり、セーシャマ ラージュはその噂を聞いて心配し、サティアにその真偽を問いただしました。サティアは答案用紙に書かなかったというのは間違いで、私はちゃんと答えましたと言いました。

職員室の写真

  学校の職員室において、サティアの試験に立ち会ったテルグ語の先生が同僚の先生に、サティアは答案用紙に一文字も書かなかったのに、採点をしようと答案用紙を見たら全てに回答がなされていて、それがまた全部正しかったこと、これをどう理解したらいいのかと話しています。これに対して他の先生は首を傾げています。

 また、テルグ語の先生は次のような出来事を他の先生に話して聞かせました。 「2,3日前、私はサティアにシトラスフルーツを物質化するように頼みました。そして、サティアがそのフルーツを私にくれようとした直前に、私はそれをカスタードフルーツに変えて欲しいと言ったらサティアはその通 りにしたのですよ。私はそれを単なるマジックと思って、そのことにはあまり深く考えていなかったのです。しかし、この奇跡からサティアは神性を備えた少年と思います。」

先生と生徒の写真

 また、テルグ語の先生はいつもは問題に答えることができない2人の出来の悪いラメッシュとマヘーシュが、今回はとても出来が良かったことを不思議に思って、他の二人の先生に話しました。先生の一人は、サティアの知性が彼等にも移ったのでしょうと言いました。テルグ語の先生はそれには納得できず、ラメッシュとマヘーシュを呼んでくるように助手に言いつけました。ラメッシュとマヘーシュとを職員室に呼び、今まで試験が全くできなかったのに今回はどうして良くできたのかと尋ねました。彼等は今回はよく勉強したのだと答えました。テルグ語の先生は、それではここで同じ問題を出すから答えなさいと言うと、2人の生徒は試験の時には覚えていたが、今はすっかり忘れたと答えました。テルグ語の先生はクラス全体で3人だけ試験に合格し、サティアが一番であると話し、その旨を他の生徒に伝えるようにと言って2人を解放しました。

パレードするサティアの写真

 そのニュースはいち早くクラス全体に伝わり、サティアは級友達に担がれていわゆるビクトリーパレードのように村の道を進み、サティアの合格を讃え、チアーリーダーが「ラージュ」と言うと他の生徒が「クラス一番」と声を合わせて練り歩きました。

職員会議の写真

 テルグ語の先生と数学の先生と社会の先生が集まった職員室において、数学の先生が机の上に置いたペンがなくなって、一生懸命探しているけれども見つかりません。そして、そのペンは数学の先生にとっては金のように貴重なものだと話しています。そこで、テルグ語の先生はサティアにそのありかを尋ねてみれば、サティアは直ちに答えを出してくれるだろうと言って、サティアを呼びに行かせました。呼ばれて来たサティアはその質問に答えて、直ちに「使用人のヤダギリが持って行きました」と言いました。数学の先生は、ヤダギリはそんなことをする人ではなく、私は彼の正直さに全幅の信頼を置いていると言いました。そこへ校長先生が通 りかかり、話しに加わり、サティアがそう言っているならばそうに違いないと言い、ヤダギリにペンを盗んだかと聞き、次のような会話となりました。

ヤダギリ「文字を書けない私がペンを盗ってどうするのですか?」
サティア「貴方は文字が書けないが、息子さんはいま学生でしょう?」
ヤダギリ「でも彼はここにはいません」
サティア「彼はアナンタプールで学んでいて、そこでそのペンを使っているでしょう?」
ヤダギリ「私はいつもここに居るのに、どうしてペンがアナンタプールに行けるのですか?」
サティア「貴方は母親からペンを送らせました。そのペンは赤い色をしています。」
数学の先生「そうです。そのペンは赤い色をしています。」
校長「ヤダギリ、サティアの言っていることは正しいのか?」
ヤダギリ「この少年はそれを見ているかのように正確に述べました。どうか私を許してください。私が盗りました。」

校長先生とサティアの写真

 校長室にサティアを伴って入ってきた校長先生が、校長の椅子を指さしてサティアにそこに腰掛けるように言いました。サティアはそれは校長先生の椅子で、生徒はグルの御足に跪かねばなりませんと言いました。すると校長先生は、貴方は若いが全てのグルのグルで、私はこの学校のグルですが、貴方は全世界のグルですと言い、その椅子に座るようにお願いしました。

校長先生とサティアの写真

 シルディのアバターの時代に、馬を探してある男がババを頼ってきたときにババがそれを助けたことがあります。これと同じようなことが起こりました。それは、イスラム教徒のサリームという商人がチャンディニという名前の馬を見失い、2人の連れの男と3日間探しても見つからず絶望の淵からサティアのもとに来ました。サティアは200ヤード北に、マンゴーの果 樹園があり、馬はそこで草を食べていると告げました。3人は喜んでチャンディニ、チャンディニと馬の名前を呼んで北へ向かい、サティアの告げた場所で馬を発見しました。

サティアと商人と馬の写真

 3人は馬を連れてサティアのもとへ戻り、「貴方は神です!私たちにとって貴方はアラーです。私たちは決して貴方の神の御業を忘れることはないでしょう」と感謝を表しました。サティアは彼等にプラサード(神よりの贈り物)を与えました。

(第19話終わり)

サティアに礼を言う商人たちの写真


 
  ・These photographs were taken from the video serial, Copy Rights ANJALIDEVI TELEFILMS / SAI KRUPA Int .Inc  
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