サイババの御言葉:真実と愛

日付:1967年12月20日午前・場所:エルナークラム(ケーララ)
ケーララ州サティヤ・サイ・オーガニゼーション役員大会の御講話(上)

真実と愛


ケーララ州のサティヤ・サイの組織の役員の大会は、全国レベルで行われたマドラス大会での決議事項がどの程度実行されているかを算定するため、そして、1968年5月に開催予定の世界大会に向けて、サイの組織に準備を整えさせるために召集されました。私が皆さんの間に来たのは、これは私が皆さんにダルシャンの喜びを与えるのに適した機会であるからです。ここに集まった組織、すなわち、セヴァ・サミティ〔奉仕組織〕とバジャナ・マンダリー〔バジャン・サークル〕とセヴァ・サンガ〔奉仕をする善き仲間の会〕は、人間に生来備わっている真性意識を目覚めさせ、それを育てるよう人を促すためにあるのだということを知っていますね。そうすれば、人は真の霊性修行者(サーダカ)へと花開き、それから、サードゥ(無執着で忠実で徳高く賢い求道者)へと花開き、最終的に、悟りを得た人物へと花開いて至高神に融合することができるからです。

皆さんは数で言えば約150名です。皆さんの会長は、組織の数はまだ少ないと述べました。しかし、私は単なる数には心を奪われません。というのは、ここは他の組織とは違うからです。オーガニゼーションは、新しいカルトや宗派を作ろうとしているのでも、新しい形式のジャパや瞑想を作ろうとしているのでもなく、また、奇抜な儀式、いわいるイニシエーションをして人々を組織の中で「弟子」と「儀式を受けていない人」というような区別をしようとすることもありません。オーガニゼーションは、鈍性(タモーグナ:鈍さ、無知、および、こうしたものから生じる悪の一切)と激性(ラジョーグナ:激情、暴力的な感情、欲望、エゴイズム、および、これらの結果としての悪)を抑制しようと努めます。オーガニゼーションは、誰もがアートマにおいては同類であるという真理、他人というものは別の服を着た自分にすぎないという真理、そして、他人への奉仕は人が自分自身に行うことのできる最良の奉仕であるという真理を、人々に浸透させます。

万物は一つの体の手足であり、まったく同一の血液によって栄養が与えられ、同一の意志、すなわち神の意志によって動機づけられ、同一の神の法によって結びつけられています。それがヴィシュワルーパ〔宇宙の姿〕、すなわち、万物の内なる神、あらゆる場所にいる神であり、人はそれを見て、体験しなければなりません。それはあなたに永遠に続く至福(アーナンダ)を授けます。

神は父、人類は子

憎しみ、悪意、妬み、慢心の感情という、同類である人間たちの間に分離を作り出すものは、自分と体を同一視することから生じます。あなたは自分を体だと思っています。あなたは自分の体は他の人の体とは分離していることを知っています。あなたの飢え、あなたの渇き、あなたの快感、あなたの家族、あなたの共同体、あなたの国――このように、あなたは自分の愛に領域をこしらえて、自分を狭い場所に閉じ込めて、その領域の外にあるものすべてを、敵であるとか、よそ者であるとか、ライバルとして扱っているのです。しかし、源は一つであり、支えは一つです。神が父であり、人類は子です。人類同朋よりも、父なる神に注意を向けなさい。そうすれば、あなたのハートの中でもっともっと人類同朋が強調され、無知から来る区別という毒が取り除かれます。

人は巡礼者であり、すでに生から生へと長い距離を歩いてきました。これまでに成し遂げた旅が、これからどのくらい歩かなければならないかを決めるのです。もし道に迷い、砂漠やジャングルをあてもなくさまよったなら、これから先に旅しなければならない距離は、まだまだたくさんあるでしょう。もし正しく導かれてきたなら、巡礼の旅は成功のうちに間もなく終わるでしょう。共に巡礼をしている者たちへの思いやりを育み、正しい道を知ろうと努めなさい。道案内する方法を習得し、目的地に安全に、早く到達することに懸命でありなさい。

自分の話をねじまげてはいけない

これらの組織は、あなた方の愛を広げること、礼拝としてなされる建設的な奉仕という線に沿ってあなた方の活動を方向付けることを意図されているのであって、一部の人たちに他の人を圧する権力を与えるためでも、他の会員の活動を抑えるような力を与えることを意図しているのでも、一部の人たちの信愛を誇示することを意図しているのではありません。皆、いつも、このことを意識していなさい。いつも、弱者や騙されやすい人たちを助けなさい。

あなたの意識には二つの目があります。すなわち、サティヤ〔真理、真実〕と非暴力(アヒムサー)です。これらはあなたを目的地へと、二つの光へと、内なる空にある太陽と月へと連れて行ってくれる道案内です。もし自分の発言においてサティヤすなわち真実を守る方法を知りたければ、『バガヴァッドギーター』を見てみなさい。ギーターは最良の発言は、「アヌドヴェーガカラム ヴァーキャム」(他人に痛みや怒りや悲しみを生じさせない発言)であると述べています。シャーストラも、同様にこう述べています。「サッティヤム ブルーヤーット、プリヤム ブルーヤーット、ナ ブルーヤーット サッティヤム アプリヤム」――真実を語りなさい。喜ばしく語りなさい。こう言えば聞き手に歓迎されるからという理由だけで、聞き手の支持を勝ち得るために真実でないことを語ってはなりません。もし真実を語れば悲しみや痛みをもたらすことになるなら、黙っていなさい、ということです。これは日常生活における真実の誓いです。

あなた方の語ることに偽善や歪曲(わいきょく)があってはなりません。喜ばしくない真実と、喜ばしい嘘の両方を避けなければなりません。シュルティ〔ヴェーダ〕が述べているように、サティヤは神自身です。「サッティエー サルヴァム プラティシティタム」――このすべては真実という堅固な土台の上に建てられている、とヴェーダは述べています。ですから、これらの組織でのあなた方のやり取りが、嘘によって汚されないよう気をつけなさい。真実は私の本質であり、私の使命であり、私のメッセージです。私の名前を冠した組織は、厳格に真実を貫かなければなりません。

非暴力(アヒムサー)は、サティヤのもう一つの姿です。ひとたび、神の中において一つであるという関係、根本的なアートマの一体性に気づくなら、誰も故意に他人に痛みや悩みをもたらそうとはしなくなるでしょう。あなた方の組織を、愛を深めるよう、愛を振り撒くよう、愛の香りを漂わせるようにさせ、自らの手本によって愛の福音を説きなさい。

翻訳:サティヤ・サイ出版協会
出典:Sathya Sai Speaks Vol.7 C46

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