サティヤ サイ海外より

       
ウォーク・フォー・バリュー(人間的価値のための行進)トロント市民の心をつかむ

 世の中の状況を気にかけ、向上に協力したいと考える4千人を超すカナダのトロント市民と、多数のアメリカ市民、そしてヨーロッパの人々が、トロント市の中心部にあるヨンゲ−ダンダス広場に集合し、その後、メイン・ストリートを通って町の中心部にいたる2.25キロ道のりを歩き、愛に満ちたウォーク(歩くこと/行進)を行いました。このウォークの目的は、人種、宗教、文化、そして民族的背景という壁を超越した、真理、正しい行い、平安、愛、非暴力という普遍的な人間的価値へと、人々の意識を向上させることでした。

 トロント市では、5年間に亘って毎年行って来た正しい行いに関するウォークを2007年も6月10日に行い、カナダのサティヤ・サイ・スクールの旗を高らかに掲げました。

 私と家族と社会のためのマーチ

 素晴らしい天候に恵まれたその日、サティヤ サイ人格形成教育(SSEHV)の根本理念を伝え、賛美するために、男女と子供たちを含めた人々による統制のとれた長蛇の列が、トロント市の最も人通りの多い商業地域と官庁街を行進しました。通りかかった人々の反響は、温かく好意的なものでした。「日曜日のトロントの中心部で、私は価値に関するウォークに出会いました。私は参加していた人々の礼儀正しさと、その掲げた趣旨に大変感銘を受けました」とトロント市民のボブ バーロウ氏は言い、「このサティヤ サイババとはどういう人なのか、その教えはどういうものなのか、私はもっと知りたいと思います。彼に関する本を送ってもらえると嬉しいです」と続けました。
 
 参加者の1人、カナダで弁護士をしているサード A サイドゥラさんは、「今日、『価値のためのウォーク』という名のペアレンツ カウンセル(保護者協議会)が主催するウォークに参加できて良かったです。暴力問題に関心を持ち、世界中で起っている暴力の増加を心配するこのウォークに参加できて本当に良かったと思います。他の人々もこれに続き、より大きな平和のためのウォークが世界中で行われると良いと思います。ボストン・マラソンやニューヨーク・マラソンは、強くて丈夫な人々のだけのものです。トロントの「ベイストリート・ラットレース」は、私のようなカナダの弁護士だけが興味を持つものです。あなた方の行っているこのウォークは、家族全員で参加でき、社会的立場の弱い人でも、肉体的に障害がある人でも、個人的に何らかの制限があっても、誰でも参加することができます。お天気も素晴らしい。今日参加した他の皆さんも、私のようにこの「価値のためのウォーク」を楽しんでほしいと思います。」

 世界中で唯一のこのウォークでは、参加者は寄付も参加費も請求されませんでした。その代わり、自分の弱点を内観し、向上を誓わなくてはなりませんでした。それは、数多くある普遍的な価値とそれに付随する価値、例えば、忍耐、思いやり、愛、寛容、感謝、節約、責任感、規律を保つこと、より良い時間の使い方をすること、自分に対する信頼、他者を受け入れること、時間厳守、などの実践を約束することです。

 カナダのサティヤ・サイ・スクールの保護者協議会の独創的なアイデアである、この今年で5回目となる「価値のためのウォーク」は、サイ・スクールが地域社会に手を差し伸べる数多くのプロジェクトの一つです。アメリカ、カナダ全体で唯一のこの種の学校、カナダ・サティヤ・サイ・スクールは、6年生(11歳)までの学童を対象とする、価値を基盤とした人格形成教育を提供する学校で、2000年にサティヤ サイババによって創設されました。この学校は近年、その優秀な教育に対し、トロント市の学校のトップとして評価されました。

 このウォークの存在理由は、個人の変容を考えたとき、それは家族の向上であり、家族が各自の変容に努めるとき、それは地域社会の繁栄と市が活性化することであり、最終的には国全体に平和が行き渡り、栄えることです。世界を変容させるためのドミノ効果を起こすためには、まず個人の努力から始めようというのが常にこのウォークの底流にあるメッセージです。過去を振り返れば、政治指導者、政策立案者、地域社会の代表者たちのこの催しへの参加が毎年増えており、彼らはサイババのヒューマン バリュー(人間的価値)の教えと普遍的な呼びかけ、個人、専門分野、社会、政府、全ての範囲における真剣な試みに対して、尊敬の念と感謝の気持ちを表しています。

 政策立案者、メディアの有名人たちがヒューマン・バリューを支持

 今年はオンタリオ州の副首相であるジョージ スミザーマン氏と、州議会のメンバーであるバス バルキッスーン氏がこのウォークの開会式に参加しました。市議会議員であるレイモンド チョー氏により、トロント市長のメッセージが読み上げられ、相対する二つの政党の主導者たちもウォークの後で行われた文化祭に出席しました。カナダの首相、スティーブン ハーパー氏や国会議員のメンバーたちからもメッセージが届きました。メディアからはラジオ放送で人気者のスパーダー ジョーンズ氏、ロジャーTVのジェイク ディール氏がサイ青年部のローヒット ヴィシュワ氏と共に司会を買って出ました。個人の変容の力強いメッセージは、色彩豊かな山車(だし)や音楽隊、プラカード、装飾、歌やドラマによって紹介され、讃えられ、人々を勇気づけました。プログラムのあちこちに、幼稚園から6年生までの生徒たちによるスピーチもちりばめてありました。

 開催前には、主催者であるサティヤ・サイ・オーガニゼーション中央評議会のV.P. シン博士、サティヤ サイ教育トラストの、ダヤル ミルチャンダニ氏、サティヤ・サイ・スクール校長のレヴァティ博士などがテレビ局のATNやロジャーTVのインタビューを受けました。

 近くにあるハードロックカフェでは、「すべては一つ」と「すべてを愛し、すべてに仕えよう」というこの催しの崇高な趣旨を、正面の壁に金色の文字で書いていました。数多くの企業や商店が地域のパートナーとして価値を実践し、仕事に道徳を取り入れると誓っていました。

いつものようにこの催しは、社会を向上させるために積極的に個人の変容に取り組む限り、すべての人々、様々な信仰団体、企業、社会、文化団体のすべての人を歓迎しています。今年のテーマの焦点の一つは環境保護でした。

国内外ヘのアピール

 今年のウォークは、今までに見られない程の愛の力が働き、催しは喜びと希望の空気に包まれました。活動的で統制の取れたサイ青年たちは、いつものように模範的な行動と奉仕に対する意欲で活力の源となりました。女子たちはよく揃い、細かく振り付けられた動きと魅力的な価値の歌に合わせて、皆に笑顔を振りまいてくれました。

 ウォークが終わるか終わらないかのうちに、色々な国の文化を網羅したカーニバル(祭)が始まりました。ウォークに参加した人々が到着して昼食をとっている傍らで、各文化圏を代表する才能あふれた演技が繰り広げられました。中国、アイルランド、ロシア、エジプト、そしてインドという豊かな古代からの伝統を受け継ぐグループによるダンスの公演があり、ウォークの終着点であったダンダス広場は、まさにトロントの文化の震源地と化しました。

 このカーニバルの呼び物として、様々な食物小屋も設けられ、フードバンク(貧しい人が必要な時にとりに来られる食料を集めた施設)のための食料を集めるブース、価値あるペアレンティング(子育て)の展示、ヘンナ タトゥー(インドの伝統的なヘンナという植物の粉でレースのように皮膚に描く一時的な入れ墨のようなもの)、工芸品、フェイス ペイント、子供たちのゲーム等が人々を引きつけました。18以上の地域のグループ、ヨーク地域から来たかなりの数の公立学校の生徒たちが、サティヤ・サイ・スクール関係の大勢の人々に混じわり、全体で4000人を優に超える参加者が集まりました。

 The Walk for Value 2007(価値のためのウォーク2007年)は、同時にカナダの9カ所で開催されました。トロント以外に、カルガリー、コキットラム、エドモントン、キングストン、オタワ、レジナ、サスカトゥーンとウイニペグでも催されました。3月にはオーストラリアでも、ブリスベーン、アデレード、メルボルン、パース、シドニーなどの都市で全国的に開催されました。アメリカでは、オールバニーでも同じようなウォークが行われ、その他の地域でも同様の催しを計画しています。

 「これらの素晴らしく楽しい催し、『International Walk for Value(価値のための国際的なウォーク)』を通じて、スワミのヒューマン・バリュー(人間的価値)のメッセージが広がって行くのを助けて下るよう、スワミにお祈りしましょう。」

サイのメッセージを本流に

 今年のウォークでは、多く人の目に触れる目的でトロントのビジネス街の中心にあるダンダス広場を会場に選んだことが最高のアイデアでした。スリンダー シャルマ氏をチーフとする熱心なボランティアたちは、ほぼ1年前から計画を練り始めました。様々な許可を取るためにトロント市の各担当者を巡り、また歩くルートを決めるために警察から細かい助言を仰ぎました。前年、2006年のウォークが終わってすぐに、2007年のための色々な委員会が動き始めました。
 
 プロモーション チーム、Tシャツを作る委員会、数多い許可書を申し込むための世話係、警察との連絡係、山車のデザイン、音響係などが、催しのほとんど1年前から行動を開始しました。サイの青年たちはインターネットを担当し、女子たちは価値の歌を練習し、食事の委員会は、3000食以上の菜食のサンドイッチと軽食を用意しました。何百人というボランティアが、「奉仕する手は祈る唇より神聖である」というスワミ(サイババ)の教えを実践して、月一度、週一度と、寒いカナダの冬の中、仕事が終わった後、何度も夜遅くまでミーティングをくり返し、夏が来て、カナダの人々に真・善・美を備えた完璧なウォークを迎えてもらえるように努力しました。
 
 サティヤ・サイ・スクールの保護者やトロント近辺に住むサイの帰依者たちにとっては、この毎年恒例のウォークの準備に協力することは、スワミが自ら手本を示しておられる愛と奉仕を見習う絶好のチャンスなのです。

   個人の変容に意識を向けることがこの奉仕のゴールであることから、準備過程の一つひとつで、神の介入や恩寵、多くの感銘深い教訓を体験することができました。

 当初からこのウォークは、準備に参加した多くのサイの帰依者のグループと学校の保護者の間に純粋な愛と一体性を生み出しました。辺りにはこの学校の創始者であるサティヤサイの高貴な理想が満ちあふれ、皆に、最高の力を発揮させました。しばしば、祈り、神の助けを乞う必要性を感じたことは、皆に全ての障害は解決できることを確約する、神の「見えざる手」を感じさせました。それは、最後の瞬間まで続きました。 H2H 2007年7月号より抜粋

 この記事はまだまだ続きます。詳しくは下記をご覧下さい。詳しい記事とウォークの様子を写した多くの写真が見られます。(英文)
  http://media.radiosai.org/journals/vol_05/01jul07/15-walkforvalues.htm

 カナダのサイ・スクールに関する詳しい記事は下記でご覧になれます。
http://media.radiosai.org/Journals/Vol_05/01JUN07/03-coverstory-final.htm

 ウォーク・フォー・バリューのホームページでは、各年のウォークの様子、写真や動画等を見ることができます。
http://www.walkforvalues.com/

 カナダのサイ・スクールのホームページ
http://www.sathyasaischool.ca/




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