Special Interview  
 

ラジオ・サイ マンスリーEジャーナル
Heart2Heart(ハートトゥーハート)(H2H)特集

神の化身と疑り深い人々

 
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2.名誉毀損

まず、「誹謗中傷」というもくろみについてです。サングヴィ氏はこう言っています。一連の訴えは三人の人物から出たものであり、たとえその原告のうちのだれかが嘘をついているとしても、全員が嘘つきであるはずはない、と。言わせていただきますが。ここ数年間ずっと私はこの馬鹿げた茶番から離れていました。まったく一言でも信じるに足るような根拠がなかったからです。何年もの間、私はスワミとの懇意な関係を享受してきました。こうした関係はスワミを誹謗中傷するような人たちにはだれにも与えられなかったものです。断言できますが、あの汚い、意図された攻撃は、まったく根も葉もない、根拠のないものです。もちろん、批評家たちは私がこう言ったことに対していっせいに非難を浴びせることでしょう。でも、かまいません。

私はここ何年もの間、この茶番について書くことを避けてきましたが、今これを持ち出したのにはわけがあるのです。よくあることですが、最近、昔の学生が私を訪ねてきました。彼と話しているうちに、「非難攻撃を受けている」人たちのリストに彼自身も入っている、ということを聞いて非常にショックを受けました。その言い分がまったくのでたらめだったので、彼がそれに対してどう対処するつもりなのか尋ねました。彼は力なく答えました。「どうしたらよいのかまったくわかりません」。「博士もそのネットをごらんになり、私だけでなく、昔の学生たちのいかに多くがそのリストに載っているかお知りになったら、さぞ驚かれることでしょう。だれかが私たち卒業生のリストを持っていて、単純に皆の名前をあげて言っただけのように思えます。これが事の次第です!」。

私は呆然(ぼうぜん)としてしまいました。職業柄、注意深く、慎重であるよう訓練されていましたので、この学生が去ったあと、実際にインターネットを調べてみました。私は愕然(がくぜん)としました。ここでさまざまな分野で実際に働いている人たちの名前が挙がっていたのです。彼らは、何年もの間私が非常に良く知っている人たちでした。実際、彼らの生徒時代の思い出を我々の書庫に残していたほどです。彼らのだれもがスワミを心から信愛していました。彼らは昔のすばらしい瞬間を思い出させてくれます。25年も前にさかのぼって、当時のすばらしい愛を一瞬一瞬よみがえらせてくれるのです! この神話の破壊者たちによって、彼らが口から出まかせのおしゃべり屋として取り上げられているのは、実に驚きです。サングヴィ氏は、おそらくご自分の見解に固執しておられるので、私の言うことなどには耳を貸さないでしょうが、私は75年という私の全生涯をかけて主張するつもりです。私はずっと真実に徹してきましたし、嘘つきの集団の一員になることで何も得るものはないのです。サングヴィ氏は私が(だま)されていると思うかもしれませんが、私は退職後ずっと15年間ここで暮らして、自分で体験し、見てきたことの方を信じたいと思います。それに、インターネットのリストに挙がっている名前の青年たちは、たいてい私が個人的に知っている者たちです。

この中傷の大部分を始めた人たちの中の一人、ロバート・プリディ氏(Robert Priddy)は、オーストラリアにある大学の二人の副学長もその申し立てを支持している、と主張しています。これは広く世間に受け入れられています。しかし、私は、「その副学長らが今までに一度でもここを訪れたことがあるのですか? 我々の先生や生徒たちのだれかと話しをしたことがあるのですか?」とお聞きしたいと思います。決してそうは思えません。実際、彼らの名前や所属は明らかにされていません。しかるに、私たちは、この男の言っていることを信じこまされることになるのです。私は、ある期間ここで副学長として働いたことがありますが、15年の間ずっと教師をしてきました。今でも教えています。ここを一度も訪れたことのない、名もない人々の言葉よりも私の言葉の方がより信憑性(しんぴょうせい)に欠けるというのでしょうか?

これはもっとも言いたくないことなのですが、サングヴィ氏は、インド科学アカデミーやインド国立アカデミー(私は、その両者の選出会員なのですが)を含むインド物理学コミュニティーのお歴々と話しができ、私の人格と同様に学業証明書をも調べられるところにおられます。サングヴィ氏は、カルパッカムにあるBARC、IGARやDRDOハイデラバードにあるANURAGを訪れて私のことを調べることもできますし、価値観というものへの私の真摯な態度について人々がどんなことを言っているのかを調べることもできます。特に、私の持っている資格や品位 については、原子力委員会で健在のすべての委員長に尋ねることができます。BARCの理事として働いているすべての人に、そしてとりわけ、ラージャ・ラーマナ先端技術センター理事のヴィノード・サヒニ博士(Dr.Vinod・Sahni)、インド科学大学のA・K・スード教授(Prof.A・K・Sood)(バトナガール賞を含む数多くの賞の受賞者)にです。これはすべて、自分のことを自慢したいからではなく、匿名というマントの影に隠れているのではないということを強く言いたいからなのです。

私が、老齢をはるかに超えたとき、政府からさらに2年延長して働いてほしいとの申し出がありました。私はここプッタパルティへ来て皆のための仕事がしたかったので、丁寧にお断りをしました。なぜ、私がそんな選択をしたかですって。なぜなら、私はババに深く感銘を受けていたからです。ババが私にそのように頼んだわけではありませんが、ここで私が目にしたものは、私にとって十分でした。

あえてこういった選択をしたのは私一人ではありません。18年もの間、デリーにある全インド医科大学で仕事をされたサファヤ博士(Dr.Safaya)という方がいます。サファヤ博士は1991年に自発的に(当時彼は局長という立場で働いていたのですが)仕事を辞めて、スーパー・スペシャリティ・ホスピタル(高度専門病院)を率いるためにここへやって来られました。それ以来サファヤ博士はここにおられます。いずれにせよ、私たちの信憑性(しんぴょうせい)は少しも価値があるようには思われていないようです。しかし、「先進」国から来た人たちの主張は、彼らがとても「開放的」であるがゆえ、一般 に信じられがちです。彼らは開放的かもしれませんが、たとえば、幼児虐待といったある種の事件に関しては、まずだれかが有罪とされ、それから判決が下されてのち、初めて無罪とされるのです。このように、この匿名のオーストラリア人の二人の副学長は、いかにも本当のことのように思えるからという理由で、すぐさま偽情報にかかわったのでしょう。実際にその二人の副学長が存在するかは疑わしい限りです。もう一度聞きますが、その二人の副学長が本当に実在するならば、なぜ二人の名前やその所属団体は明らかにされないのでしょうか?

サングヴィ氏は少なくとも訴えのいくつかは真実に違いないと主張しています。悪名高いBBCドキュメンタリー番組に主演しているその中の一人が、さまざまな誹謗(ひぼう)中傷(ちゅうしょう)をでっち上げてカリフォルニアで訴訟を起こした結果 、一人の証人がその人物の訴えがつじつまが合わないことを明らかにしたために、その訴えを取り下げたという事実を、サングヴィ氏は知っているのでしょうか? いいですか、これがそのスター証言者なのです。だれもがこう言って詰め寄りました。「彼はテレビに出ている男だ。君は彼が嘘をついてるなどと言うつもりなのか?」。私はこう尋ねます。「もし彼の言い分が本当だとしたら、あの法廷で起きたことは何だったのですか? もし彼が完璧な訴訟を起こしたのだとすれば、なぜ、訴えを取り下げ、アメリカでもインドでも二度と法廷で訴訟は起こさないと同意したのですか?」。(この訴訟の取り下げに関しての詳細はH2Hで報じられています)。

いずれにせよ、疑わしい経歴で申し立てを起こすような人がいたら、その主張はすぐさまよく調べられるべきです。しかし、私のような者が異議を唱えるとき、私たちは皆利害関係を共有している者の集まりになります。あるいは、私たちは目をくらまされてしまった者たちか、ただの愚か者たちということになるのでしょう。サングヴィ氏がカラム博士(Dr.Kalam、インド大統領)を軽蔑的に扱うやり方はそのことをよく物語っています。私たちの大統領をこんなことに引きずり込むつもりはまったくありませんが、私はおよそ二十年近くカラム博士との付き合いがあります。サングヴィ氏に一言、二言を言うくらいの義務はあるように思われます。よく調べもしないジャーナリスト的な文書によっておおいに貢献してきたと思い込んでいるような百人の人々に比べたら、カラム博士は、はるかに多くの貢献をしてこられました。何年もの間、私は、カラム博士がその在職中に見事なリーダーシップを発揮されるのを見てきました。カラム博士が大統領になってからは、いかにして、そんなにも違う仕事に取り組まれるのだろうかと不思議に思っていました。大統領は、若い学生たちと会い続け、彼らの精神を鼓舞し続けるというすばらしいやり方で私の疑問に答えたのでした。毎日、大統領は少なくとも500人の学生たちと会っています。しかるにカラム大統領はつねにこのように理想にあふれた人でした。アグニ(ロケット)が初めてその試射に成功したときのことです。当時、防衛大臣の科学顧問だったアルナチャラム博士(Dr.Arunachalam)はカラム博士を抱きしめてこう言いました。「君はまったくすばらしいことをやってのけた。何が欲しいかね? 言ってごらん、私がかなえてあげよう」。カラム博士が何と答えたかわかりますか? カラム博士は、こう言いました。「私たちのハイデラバード研究室の施設に3万本の木を植える資金と、鹿苑(しかえん)を作るための資金が欲しいです」。サングヴィ氏によって不必要に引き合いに出される、これがカラム博士という人なのです! それなのに、半分だけ真実の提供者は単に若者の心を毒するだけでなく、おそらくは年長者の心までも毒しているのです。

スワミに引きつけられたのはカラム博士だけではありません。陸軍元帥カリアッパ(Cariappa)にまでさかのぼります。軍隊からだけでも、バガヴァンのもとへとやって来た人は大勢います。皆トップレベルの人たちです。司法界からは、バガヴァティ判事(Justice Bhagavathi)という、最高裁判事を経て人権委員会の委員長になった方がいます。サングヴィ氏とその同類にお尋ねします。「あの数々の申し立てに少しでも真実味があったとしたら、あなたは、バガヴァティ氏のような人物がサイ・ババのごとき人物、そしてその団体とかかわったと思いますか? バガヴァティ氏が自身の名誉のことを考えなかったのでしょうか? バガヴァティ氏だけでなく、故ナニ・パルキヴァラ氏(Nani Palkhivala)も、ババによって創設されたシュリ・サティア・サイ大学を監督するトラストの一員だったことを、サングヴィ氏はご存知なのでしょうか?」。

読者の皆さん、私にはなぜ聡明な人々がその知性を棚上げにしてよく考えもせず、既得権益から言いふらして回るような凡庸(ぼんよう)な人たちの言うことを鵜呑みにするのか、理解できません。どんな人も、XやYさんが何か言っているからというだけで、皆の前で潔白を証明しなければならないということなのでしょうか? たとえそうだとしても、彼らの言っていることを自分でよく調べもせずにひどいことを書き立てるべきなのか? とお聞きしたい。ババ批判の第一人者、ルーシ・カランジャ氏(Rusi Karanjia)はまさにその通りのことをしました。彼は職業的な一貫性をもってそうしたのです。ジャーナリズムの倫理に一体何が起こったのでしょうか? このインターネット時代においては、もうどうでもよくなってしまったのでしょうか?

 

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出典:http://media.radiosai.org/Journals/SpecialArticle/GOD_AVATAR_AND_THE_DOUBTING_THOMAS.pdf
翻訳:サティア サイ 出版協会

 

 
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