・ババの御教え・


1997年正義の年

一真実の実践は正義である一

 サティア サイ オーガニゼーションでは、ババ様の75歳の御降誕祭である2000年11月23日に向けて、1年間ずつを一つの価値の年と定めて霊性修行を行なっています。昨年の真実の年に始まり、正義の年、平安の年、調和(非暴力)の年、愛の年と続いていきます。これらの五つの道徳的価値観を身につけていくことにより、私たちは霊的に向上することができ、神と一体となるための霊性修行を行なうことかできるのです。

 今年は、ダルマの年です。ダルマは、正義、正しい行ない、人として守るべき本分、社会的・宗教的義務と訳されます。正義の年に私たちは何を行なえばよいのでしょうか。正しい行ないの実践とはどういうことでしょうか? 私たちは生活していくに当たって、食事をしたり、電車や自動車に乗って移動したり、仕事をしたり何らかの行ないをしなければなりません。

 食事をするに当たっての正しい行ないとは何でしょうか? 食事をする際には、食べ物を神に捧げ、マントラを唱えてから頂くことが勧められています。ババ様は、浄性の食べ物を摂取するだけでなく、清潔な食器と、調理する人の心が清いことも大切であるとおっしやっています。また、テレビを見ながら食事をするようなことは避けて、食事に集中するようにおっしゃっておられます。

 同様に電車や自動車に乗って移動するときは、マナーを守り、適切に交通法規を守ることが正しい行ないではないでしょうか? また、もし不愉快な目に遭ったとしても、平常心を保って正しい行動を続けることが必要ではないでしょうか?

 仕事をするにあたっては、何が正しい行ないかを考えて行なうだけでなく、仕事を神に捧げ「私がやった」といった「私が、私が」というエゴを無くしていくことが大切です。行為の結果に執着することなく、行為の結果を忘れて行為せよ、とバガバット・ギータの中で説かれています。

 こうして考えてみますと、日常生活の一瞬一瞬が、正しい行ないを実践するための霊性修行の場であることに思い当たります。呼吸でさえも正しい呼吸とは何かを考えてみる必要があります。

 これらすぺてを一度に達成することは難しいことかも知れません。しかし、一歩一歩正しい行ないに近づいていくことが、「正義の年」に必要とされていることなのです。

 ところで昨年度は、「サティア─真実・真理の年」として、真実・真理の探究がなされましたが、今年、それらを忘れて真実・真理に背いた生き方をして良いはずがありません。昨年度探究した真実の実践を通して正しい行ないをすることが、「正義の年」につながるのです。

 このように、真実、正義、平安、調和、愛という5つの道徳的価値を身につけていくことは、私たちの霊的向上にとって、はかりしれない成果をもたらすことでしょう。そして、私たちがすばらしい人格を身につけて、2000年のババ様の75歳の御降誕祭をお祝いすること、これこそが、ババ様への真のプレゼントとなるのです。

 自分のできることから正しい行ないを実践していくだけで良いのです。そうすれば、ババ様の恩寵により、人類の歴史上なかったほどのスピードで私たちは正しい行ないを実践できるようになります。このすばらしい機会に霊性修行を実践しないことは、霊性を向上させる希有の機会を逃すことに他なりません。

「ダルマは、人を普遍の愛と一体性に導きます。ダルマは、最も高い規律であり、最も大きな恵みをもたらします。この世界はすべてダルマと真理によって確立されます。真理をダルマから引き離すことはできません。真理は宇宙の法則であり、太陽や月をその軌道でめぐらせます。ダルマは、聖典でありマントラです。そして、それらのもたらす英知に他なりません。ダルマは指針であり、道であり、法則です。

 道徳が固く守られる所には、必ず行ないに真理とダルマがあります。バガヴァータにもまたこのように述べられています。「ダルマのあるところにクリシュナ神がおわし、クリシュナ神とダルマが共にあるところに勝利がある。」

 ダルマとは、まさに神の体現です。それゆえ、この世界そのものが神の身体であり、この世界というのは道徳的秩序の別名にしか過ぎないのです。いつの時代においてもそれを否定することは、誰にもできません。」

バ バ


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