霊性に関するQ&A ─ヴェンカタラーマン博士に聞く─

    

Q:真の帰依とは何ですか?

    

A:様々なタイプの帰依者がいますその一人一人が、「自分は神への深い帰依の心を抱いていると主張しますギーターの中でスワミは帰依者を4つのタイプに分類されております(1) 自分の欲望が満たされることを望む者(2) 自分の抱えている問題が解消されることを望む者(3) 英知を求める者(4) 悟りを得至福を求める者

  神はまたこうもおっしゃられています。「帰依者がどのような方法で神に近づこうとも神はそれと同じ方法で帰依者の信仰心を支えるであろう しかしスワミは自分が帰依者であると宣言するだけでは十分ではない とおっしゃられます神がそのような帰依を認められるでしょうか? では真の帰依とは一体何でしょうか? また神に最も愛される帰依者とはどのような人物なのでしょうか? 答えはギーターの中特に帰依の道について述べられている第12章にあります要約すれば真の帰依とは神を最も喜ばせるものです神はいかなる憎しみをも抱かない人すべてに対する愛に満ち満ちている人バランスのとれている人何が起ころうとも常に落ち着いている人行為のすべてを愛をもって神に捧げる人常に神を想っている人あらゆるものの内に神を見る人そして何が起ころうとも決して揺らぐことのない信仰をもっている人を最も愛されるのです信仰は常なるものでなくてはなりませんこれは重要なことですこのすべてを達成するための道はたくさんありますそしてそれが霊性修行を構成しているのです

    

Q:ガヤトリー マントラを唱える際には一語一語の意味を思い浮かべながら唱えた方がよいのでしょうか それとも一文一文の意味をつかみながら唱えた方がよいのでしょうか

    

A:ガヤトリー マントラは至高の母または至高の光人が見たいと思うどちらかに対する祈りです唱えている間は心を集中させさまよわせてはなりません最も簡単な方法はただスワミを想って唱えることであり単語ごと文章ごとの意味を心配することはありませんしかしながらこのマントラの主な意味は常に心に留めておかなくてはなりませんスワミはこのマントラの目的は悟りと英知を生み出すことにありその結果プレマすなわち愛が三界のすべてにおいて光り輝くためである とおっしゃられています実践的に言うなら唱える時には次のような気持ちを抱いていなければなりません。「おおスワミこの祈りによって私のあらゆる思いとあらゆる行動を通して愛が輝くようにしてください これこそがマントラを唱えている時に抱いていなければならない気持ちなのです

    

Q:リーラとは何ですか?

    

A:リーラという言葉は神の戯れを意味しています。『創造は一種のリーラですそれは神が自らの楽しみとして演じておられる劇なのです偉大な帰依者が自分の身にふりかかるものを含め、『創造のうちに起こるすべてのものを神のリーラとして受け入れるのはこの理由からなのです

    

Q:神が化身して来られたことは究極のリーラと言えるのでしょうか?

     

A:創造のリーラにおいて、神はときに名場面の脇役として姿を現されますそれが神の化身でありそれはリーラの一部分なのです有名なハリウッドの映画監督アルフレッド ヒッチコックがいつも自分の映画のどこかに出演しているのと同じことなのです

  ここで二つの疑問が起こります一つはなぜ神は創造を行われたのか?ということですスワミはこうお答えになっております。「『私私自身を愛することができるよう、『私自身からを分離させた

  もう一つは、神はいつ化身として降臨なされるのか?ということですこれについてはクリシュナ神がギーターの第4章でお答えになっております

    

Q:なぜ五つの鞘というものがあるのですか?

    

A:ギーターの中でクリシュナはアルジュナに人は身体ではなくアートマ(真我)であるすなわち人は身体+心+アートマであるとお教えになりましたヴェーダンタ哲学では概してこれを肉体をまとったアートマもしくはジーヴァ アートマと呼んでいますスワミがディッヴィアートマ スワルーパラーラすなわち神聖なるアートマの化身である皆さんという言葉でほとんどの御講話を始められるのにはこのような理由があるのですこの肉体をまとったアートマすなわち生物はしばしば様々な組合わせで表現されますその一つは人=身体+心+アートマでありまた別の組み合わせは人=粗雑体+精妙体+起因体です三つ目に五つの鞘による組合わせがありますすなわちアートマは五つの鞘に覆われているとされているのですこのことは自動的にアートマが自由になれば鞘を突き抜けてしまうということを意味しています第一の鞘は粗雑体に関連しています身体は食物によって形づくられているためにこれは食物の鞘と呼ばれています次にくる四つの鞘はそれぞれ生気の鞘』、『心の鞘』、『理知の鞘』、『至福の鞘と呼ばれそれら全体で精妙体を表しています最後にくる鞘が起因体を表しています五つの鞘を突き抜け超越することはまた覚醒の状態夢見の状態熟睡の状態よりも高められ第四の状態つまり悟りの境地に到達することとして表現されています

    

Q:今年、スワミが特に強調しておられることは何ですか?

    

A:今年の初め私はスワミが様々な場面で肯定的ということを強調されているのに気づきました本質的にスワミのおっしゃったことは(1) 神は肯定的である(2) 私達は常に肯定的であるようにしなくてはならないということでした実践的な意味としては(1) 私達の思考はいつも肯定的でなければならない(2) 私たちはさらに内面に目を向けなければならないということです

    

Q:スワミの人生の中で印象深い出来事は何ですか?

    

A:エピソードは数多くありそのすべてが様々な土地で語り継がれています例えばスッバーマの臨終の際に水をお与えになったことウィリアム コーワンに延命をお与えになったことスワミが信者の麻痺を肩代わりし信者の虫垂炎を肩代わりされたことなどです

    

G. ヴェンカタラーマン博士 経歴

南インドマドゥライ出身ボンベイ大学で博士課程修了後ガンジー物理学研究室において様々な研究に従事インド学士院特別会員インド物理学会会長ネルー首相財団特別研究員等を歴任インド科学界への多大なる貢献により'91年インド大統領よりパドゥマ シュリ(閣下)の称号を'95年にはインド国立科学アカデミーよりインディラ ガンジー勲章を授与されるその後教育の仕事に携わり'96年よりシュリ サティア サイ大学副学長として五大価値に基いた理想の学生の育成に多大な貢献をなされております

           


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