第12話  
Orange Line
 


 サティアの父であるヴェンカマ ラージュがサティアの先生と会い、サティアの勉強の様子を訊ねました。先生は心からサティアをほめ、サティアをプッタパルティから少し離れたブッカパタナムにある上級学校へ進学させた方がいいとヴェンカマ ラージュに進言しました。

サティアと家族の写真

 そこでヴェンカマ/コンダマ ラージュの家で家族会議が開かれました。ヴェンカマ ラージュは、サティアは初級レベルの勉強を終了したので、ブッカパタナムの上級学校へ進学すべきであるとみんなに言いました。母親のイーシュワランマは息子を遠い学校へ通 わせることに戸惑いを感じました。しかし、最終的には彼女はサティアがブッカパタナムの学校に入る必要性を理解しました。
 そうして、サティアはブッカパタナムの学校への入学が許可されました。イーシュワランマはお弁当を作り、家族みんなでサティアを送り出しました。サティアと彼の友達は学校へ向けて歩き出しました。

 ある日、サティアは友達と一緒に歩いて学校へ行く途中で、「パンドゥランガ」のバジャンをリードして歌い始めました。
 ジャヤ ジャヤ ビッタラ
 パンドゥランガ ビッタラ
 パンダリナタ  ビッタラ

いじめを受けるサティアの写真

 その学校へ行く途中の河の近くに数人の不真面 目な生徒達が待ち伏せをしてサティア達の行く手を遮りました。サティアと彼の友人達が立ち止まると、待ち伏せをしていた生徒達は河の泥を掘り出しそれをサティアに投げつけました。サティアは彼らに、「そんなことをしてあなた方が楽しいのであれば、私もこうして立っていることを楽しく思いますので、わたしに向かって投げてください」、と言いました。そしてまた、その生徒達は河の水をサティアに続けてはねかけました。しかし、サティアは動じることなく平常心で立ち続けました。
 すると、生徒達は突然止めて、その内の一人がサティアに近づいて、怒りを感じないのかと尋ねました。サティアは、「誰に対しても怒りを感じません、もしあなた達が幸せであれば私も幸せです」と答えました。このような答えを聞いて、彼らは自分たちの行為を深く反省しサティアの許しを請いました。そして、彼らもまたサティアの仲間に加わりました。

いじめを受けるサティアの写真

 学校の外には、菩提樹の下にガネーシャの像が安置されています。サティアは彼のバックからいくつかの果 物を不思議な方法で取り出し、その像へお供えとして捧げました。サティアの友達は何処からこのような果 物を取り出すのかと尋ねました。サティアは、ある目に見えない力が自分の望みを叶えてくれるのですと答えました。彼の友達は、サティアは果 物等をガネーシャだけに与えるのか或いは友達にもくれるのかどうかと尋ねました。サティアは友達にもあげるよと答えました。そう言って、サティアが手のひらを下にして手を廻すと、直ぐに何処からともなく手のひらに一杯のビブーティが現れ、彼の友達はびっくりしました。そして、誰もがサティアの手からビブーティをもらおうと押し寄せました。彼がビブーティを友達に与えていると、メフボーブ先生がサティアの前に進み出て、うやうやしくビブーティを受け、深い敬意をもってビブーティを食べました。

サティアと少年たちの写真

 次いで場面が学校に変わり、そこでは先生が、その面 白い仕草により、学生達によって笑われています。先生はけちなグルと偽善的な信者についての以下のような物語を話し始めました。
  そのグルは決して何も分け与えることが無くあらゆる富を一人占めしておりました。ある時、グルとその信者が或る人の家を訪問し、用事が終わってその家を出るときに、その信者は自分の身体に付いた草片をその家の人に返すということをしました。これによってその信者はグルの信頼を得ました。
  その物語が終わってから先生は生徒に対して、その信者の行動の背後にある動機及びこの物語が伝えようとする道徳について生徒に質問しました。先生はその質問の答えを生徒みんなに繰り返し尋ねましたが、進んで答えるものは誰もいませんでした。ついにサティアが進み出てその質問に答えることができると言いました。

学校の教室の写真


 
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