第17話  
Orange Line
 


 サティアと彼のボーイスカウトのグループはプッシュパギリのお祭りにおいて奉仕活動をしています。迷子の子供が親元に引き渡され、大勢の群衆がプッシュパギリの寺院に入るために男と女の列に別 れて整列されています。充分なお金もなく(サティアは12アンナだけ持っていた)、サティアはほとんどの時間を食事無しに過ごしていました。彼の友達が食事を取ったかと聞くと、彼は「はい、もう取りました」と答えていました。友達たちがその言葉を疑うと、彼らに右手の掌の臭いをかぐようにいい、そしてその手のひらからは食事の美味しそうな臭いが出ており、彼らはその言葉を信じざるを得ませんでした。
 お祭りでサティアは、義理の姉(セーシャマ ラージュの妻)のためにいくつかの飾り輪やその他のおみやげを買いました。

セヴァをしているサティアの写真

 ついにプッシュパギリを去るときが来て、その旨を先生が皆に告げました。皆はバスで帰るのですが、サティアだけは黙ってグループから抜けてカマラプラムに向かう近道である山道を歩きました。
 家に着くと、セーシャマ ラージュはサティアが黙ってプッシュパギリに行ったことを大変怒りました。サティアはそのわけを説明したのですが、セーシャマ ラージュは納得しませんでした。そうこうしていると、セーシャマ ラージュの奥さんがサティアに救いの手を差しのべるためにやってきました。そこで、サティアはお祭りで彼女のために買ったおみやげを差し出しました。このサティアの愛情深い行いを見て、その義理の姉並びにセーシャマ ラージュは心を打たれました。

サティアの兄と義理の姉の写真

 さて、家では義理の姉が家事を取り仕切っており、彼女は2つの大きな壺をサティアに渡して、遠く離れた井戸から水を汲んでくるようにと言いました。少年のサティアは快くその井戸に行き、滑車に掛けられたロープを引いて井戸から水を汲み上げ、棒の両端に2つの壺をつけ、それを肩に担いで戻りました。この水汲みは日課となりました。サティアのカマラプラムにおける学校での勉学が終わり、両親と祖父のコンダマ ラージュのいるプッタパルティに帰りました。

水を汲むサティアの写真

 ある日、イーシュワランマがサティアの身体にオイルを塗るオイルバスを行っていたとき、彼の肩に黒ずんだあざがある(両端に水を満たした壺を付けて運んだことによってできた)のを見て驚き、サティアに尋ねました。サティアは、セーシャマ ラージュは忙しくて時間がなかったし、カマラプラムでは深刻な水不足の状態にあったので、自分が遠くの井戸から水を運ぶしかなかったと、いつものように何でもないことのように話しました。イーシュワランマはこのことを知って大変心を痛めましたが、サティアは自分だけがそれを出来る立場にあったのだと言って彼女を慰めました。

肩にあざのできたサティアの写真

 時が経ち、サティアは10代に成長しました。サティアの父は、サティアの兄がその時移り住んでいたウラバコンダに彼を行かせてはどうかと言い出しました。セーシャマ ラージュもまたやってきてイーシュワランマに、サティアを彼と一緒にウラバコンダに行かせるように話しました。イーシュワランマは意見を差し挟む立場にないと言いながら、セーシャマ ラージュに「その村には水は豊富にあるのですか?」と尋ねました。この質問によってセーシャマ ラージュは以前サティアにさせたことを申し訳なく恥じ入るとともに、サティアを彼女から遠く離れたところに送る母親の気遣いを感じることが出来ました。

10代に成長したサティアと家族の写真


 
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