第3話  
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 デーヴァギリアンマは生まれたばかりの子供を抱きかかえながら、心は動揺していました。母性の呼びかけに従い、子供の世話をするために夫を見放すべきなのか、忠実な妻としての義務を果 たすべきなのか。しばらく迷い考えた末に、子供は森の中に残して、夫のあとを追うことに決めました。(これは神が創ったお芝居だと理解するべきです。)

 しばらくすると、たまたま森を通り抜ける途中のパテル夫妻が、赤ん坊が捨てられた場所の近くを通 りかかり、赤ん坊の泣き声を聞きました。彼らは牛車を止めて降り立ち、その泣き声が聞こえてくる場所を探しました。そしてついに赤ん坊を見つけ、近くに保護者がおらず捨てられていることがわかると、連れて帰ることにしました。彼らはその赤ん坊を自分達の子供として育てました。

拾われるシルディサイの写真

 時が過ぎ、まだほんの小さな子供になったばかりの時、その子は難解な宗教経典を両親に教え始めたので、彼らはとても驚きました。
シルディサイの養母の写真 ある日、ナイヴェダヤム(神へのお供え)として特別 にとっておいた食べ物を、まだ礼拝を行って神に捧げていないにもかかわらず、その子が友達に分け与えているのを養母は見つけました。彼女は叱りつけたのですが、少年は冷静に、アディティス(客人)に捧げることは神に捧げるのと同じくらい良いことですと説明しました。彼女はその明快な説明を聞いて驚きました。両親はこの子が普通 の子供ではないことを知りました。

 時が経ち、少年はヒンドゥー寺院にもモスク(イスラム寺院)にも行くようになりました。モスクに行っては、バガヴァッド ギーターやその他のヒンドゥー教の聖典を説いて、「サブカ マーリク エク」(すべてにとって唯一の主がいる。即ち、唯一の神がいるだけである)と明言しました。モスクで神について説くシルディサイの写真ヒンドゥの寺院で神について説くシルディサイの写真

 またヒンドゥー寺院に行っては、コーランに書かれていることを説きました。人々は少年の奇妙な振る舞いに当惑しました。人々は何度も少年をだまらせようとしましたが、彼の生き生きした答えと、落ち着いた表情と話し振りには、かないませんでした。しかし、彼の内なる神聖さを理解することができず、みんな揃ってやって来て、少年の言動について、養父のパテルをとがめました。

 人々が帰った後、パテルは少年に奇妙な振る舞いをしないように説得を試みましたが無駄 でした。そして深く傷ついた彼は、突然心臓発作に襲われ、亡くなってしまったのです。


 
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