サイババの御言葉:教育は社会のためにある

日付:1969年11月7日・場所:アナンタプル市
サティヤ サイ女子大学新校舎定礎式の御講話より

教育は社会のためにある


これからは、サイの教えに従って、
永い間この地に腰を据えている母なるバーラタの名声を、
磨き、光らせなさい
ああ、教育者よ、学識者よ、
そして、この町のエリートたちよ!


今日は、アナタンプルの歴史において、重要で神聖な一里塚となる日です。今日はまた、バーラタ文化の活性化に関心を寄せる人々にとって、吉兆な日でもあります。私たちの政府は、教育と医療施設の開発、穀物生産の向上のためのプロジェクト、および、飲料水を提供する手段を講じるための計画を準備しています。それによって何千万という人々が幸せな生活を送れるようになるでしょう。多くの住宅、教育施設、病院、工場、商売や貿易の団体、そして農法も、その計画とプロジェクトの中に入っており、美辞麗句を連ねています。疑いなく、これらはすべて望むべきことであり、実現可能です! しかし、私たちにとっては、それと同時に人々の平和と安全と満足のために必要なプロジェクトや計画を立てて実行することのほうが、より重要です。これらは、私たちの中で、私たち自身で、成し遂げるべきです。このようにして競争力のある安定した国が形作られ、次々にインド文化の強力な性質を育み、示すようになるでしょう。

蔓延する恐れ、不安、敵対心、不信、不満の根源を、統治者も国民も、どちらも見つけようとしないというのは、驚きです。私たちは、霊的な道を通してのみ、そうした嘆かわしい状態の原因とその修正法を見つけることができます。それは、経済や政治や社会や教育の領域といった、外的な方法を通しては不可能です。今日、私たちが霊的な教育というものをすっかり忘れてしまっていることは、非常に残念です。今の教育は、情報を集めてそれを頭に詰め込むだけの教育をしようとしているのみです。私は人々と権力者たちにその欠点を印象づけることを考慮に入れて、この大学を始めました。

知性を研ぎ澄ますことに加えて、私は、情緒や感情を清め、体と心の躾をし、心の落ち着いた平安と喜びを若者たちに注ぐことを望んでいます! 若者たちは自分たちの気高い性質を養うよう促されるべきです。そのためには、若者たちに、教育と教育の実践、祈り、善き仲間、霊的な指導者と敬虔な女性たちの有名な伝記を知ることの関連性を教えること、そして、自己を信じること、自己の満足、自己への犠牲、そして自己を知ること、という性質を示すことが、たいへん望ましいのです。

母国の体現でありなさい

アートマの化身である皆さん!

不毛の地となっている心を、ジャパ(マントラを繰り返し唱えること)、ディヤーナ(瞑想)、ナーマスマラナ(唱名)という農具で耕して開墾しなさい。愛という種を撒き、気配りという肥料を施し、根気という柵で囲いなさい。そうすれば、忍耐力という収穫を得ます。忍耐力はあなたに平安を与え、怒りと復讐心を取り除いてくれます。忍耐力は人間にとって大きな富です!

人は、手本となる基準を定めているプラーナ〔インドの古代の神話や伝説を集めた18の聖典〕、そして、バーラタ文化への正しい理解を得るための目の役割を担っているシャーストラ(諸聖典)を、よく読むべきです。プラーナとシャーストラは、ヴェーダーンタ(ウパニシャッドの哲学)にある秘奥を説くことを目的に生まれました。ですから、それらは霊性の宝庫と呼ぶことができるでしょう。

プラーナとシャーストラは、女性を母性の具現であるとして雄弁に表現しています。ヴェーダは、ガールギー〔高潔な女性哲学者〕やマイトレーイー〔聡明なサンスクリット学者〕といった女性たちを、霊性の英雄的女性であり、学問の宝石であると説いています。昔、偉大な学者たちの会合で、ガールギーは霊的な探求に関する非常に複雑な事柄についての議論に決着をつけ、人も羨むような高い位を得ました。

歴史には、幼子だった息子シヴァージー〔17世紀インドのマラーター王国の王〕の心をプラーナやイティハーサ〔詩史〕のエピソードをもとにした気高い教えで満たし、ヒンドゥー文化〔インド文化〕の理想的な模範へと育て上げた、ジージャバーイーの役割も見出すことができます。

ヒンドゥー〔インド人を表す古語〕にとって、ヒンドゥー文化と撚り合わさっているヒンドゥーのダルマは生気です。ヒンドゥーは、ダルマを守り養うためなら、いかなる苦しみにも耐える覚悟、さらには、死に直面する覚悟すらあります。自分の住んでいる国はダルマであり、ダルマは生気です。バーラタ人(バーラタの国民)はダルマが果たされていない場所に住むことを好みません。バーラタ人には、アダルマ(不義)〔ダルマに反すること〕の中で腐敗している空気を吸うことさえ困難です。そのような環境に陥ったなら、アショーカ樹の庭園でずっとラーマの御名を唱えて時を過ごしたシーターのように、日々を過ごすことでしょう。

バーラタ人は、バクティと献身に満ちた空気の中以外では、自然な幸福感を味わえません。バーラタ人の話すこと、行うことは何であれ、神に関係しています。ダムや工場といった建設現場での仕事に携わっている人も、大学のようなところで働いている人も、皆、自分の心が、気配り、慈悲、人間らしさ、バクティ、互いへの敬意という性質で満たされて、初めて達成感を味わい、幸福な気持ちになることができます。太古の昔から、バーラタという国は、もっぱらこれらを固守し実践してきたがゆえに、全人類にとっての「グル」〔導師〕の地位を享受してきました。バーラタは、もう一度その地位に到達することができるでしょう。

理想の大学

バーラタ人に不可欠な側面であるティヤーガ(犠牲)とヨーガ〔神と一つになるための行〕の資質を十分に授かっているサティヤ・サイ・トラストのメンバーが、職員および指導教官として、この大学を運営することになります。そのメンバーは、社会における母性の威信をよりいっそう高めていくことでしょう。この大学は、母となる可能性のある女性たちの象徴(模範)を育成することに尽力していきます。彼女たちはバーラタ人のダルマという生気を供給し、文化と、教育と、慈悲と、愛と、私心のなさの体現者となることでしょう。

この学校は、アナンタプルの人たちから、金銭的援助も、他のいかなる類の援助も、期待することはありません。教師と学生、その家族と両親、そして、近隣の人たちの幸せが、この大学の幸せです。このカレッジは、アナンタプルのみならず、女性の教育に関心をもつすべての人のための理想像として、傑出した存在となるでしょう。このカレッジが成長して女子の総合大学となることも、私の意志するところです。

私は、皆さん方すべてが、恒久的に、敵対心、怒り、慢心、その他の悪い性質を持たず、一体性と愛という土台を基盤とした気心の知れた関係を育むことを望みます。私たちの心は遍在なる魂〔アートマ〕に定まっていなければなりません。

愛は、それ自体が、すべての行為を実らせてくれます。私は、このカレッジが愛と威信と成功の象徴へと発展するよう祝福します。カレッジは希望の光となるでしょう。このカレッジは、バクティと献身に恵まれた気高い人物を育てる母となる可能性のある女性たちに、教えを授けます。

私は、このカレッジのすべての人が、ダルマを完全に信頼し、ダルマを通して平安と幸福を得ることへの希望と祝福をもって、私の講話を終えることにします。

翻訳:サティヤ・サイ出版協会
出典:Women's Role C3

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