サイババの御言葉:ガネーシャ原理

日付:1989年9月4日・場所:サティヤ サイ大学学寮
ガネーシャ チャトゥルティーの御講話(下)より

ガネーシャ原理


この世界には多くの模範的な先導者(リーダー)たちがいますが、ヴィナーヤカのような先導者は他に誰もいません。ヴィナーヤカはヴィグネーシュワラとも呼ばれています。なぜならヴィナーヤカは障害物〔ヴィグナ〕を司る神〔イーシュワラ〕だからです。たとえヤマ〔死神〕が生と死を司る神であったとしても、ガナパティの恩寵がすべての障害物を取り除いてくれます。ガナパティとは群(ガナ)の主(パティ)という意味です。ガナパティは音の主であり、オーム(原初の聖音プラナヴァ)の姿を有しています。

ガネーシャの象の頭の深遠な意味は何でしょうか? 象は鋭敏な知性でよく知られています。ガネーシャの象の頭は、理智の鋭さと最高の識別力を象徴しています。

理智の純粋さゆえに、ヴィナーヤカは「ブッディ ヴィナーヤカ」(理智を授けるヴィナーヤカ)とも呼ばれます。ヴィナーヤカは信者の祈りにも応えます。それゆえ、「スィッディ ヴィナーヤカ」(願望成就を授けるヴィナーヤカ)とも呼ばれます。

かつて、聖仙ヴィヤーサが『マハーバーラタ』の執筆に着手したときのことです。何百万もの詩句を筆記するのは膨大な仕事だったため、デーヴァ(神々)の師であるブルハスパティに、適切な筆記者を授けてくれるよう助けを求めました。ブルハスパティは、その仕事を果たせる者はヴィナーヤカ以外にはいないと述べました。ヴィヤーサ仙はヴィナーヤカに援助を願いました。

それからヴィヤーサ仙は、書き留める内容はすべて筆記者が理解しておくべきであると要求しました。今度はガネーシャが条件を出しました。それは、椰子の葉に書き留める筆が止まらないよう、詩句を口述するのを休んではいけないというものでした。

ヴィナーヤカはあらゆる知識の体現者であったため、『マハーバーラタ』全編を書き留めることができました。ヴィヤーサ仙は、ガネーシャの助けを借りることで驚くべき仕事を成し遂げることができました。

ヴィナーヤカを先頭に配する意味

ガネーシャの乗り物はネズミです。ネズミは利口で活発な生き物です。ネズミは、私たちが行動において賢明かつ勤勉であるようにという意味の象徴です。

どのようなことを始める場合にも、まずヴィグネーシュワラを先頭に配することには特別な意味があります。森で象が密林を通ると、後に続く動物たちが辿るべき道が明らかになります。それと同じように、ガネーシャに加護を祈ることにより、自分が請け負ったことの道が開かれるのです。象の足跡はとても大きいので、象が歩くと、他のどんな動物が付けた足跡もきれいに消すことができます。ここに再び象徴的な意味があります。それは、ガネーシャを讃えると、行く道を阻むあらゆる障害物が取り除かれるということです。人生という旅路は、ガネーシャの恩寵によって、より円滑で幸福なものとなります。

ヴィナーヤカ チャトゥルティーの日、学生はガネーシャ神の像の前に本を置いて礼拝を捧げます。また、心を照らしてくださいと祈ります。つまり、ガネーシャは「ブッディ プラダーヤカ」、すなわち、知性を授ける者として知られているのです。象の頭と大きな腹をしているからといって、ガネーシャを不恰好だと思うべきではありません。ヴィナーヤカは自らの内に宇宙を包含している神なのです。ガネーシャは無限なる可能性の神なのです。

ヴィグネーシュワラは白い布を身にまとった者として描写されます。体は灰色です。また、腕は四本、表情は明るく描かれます。白い布はマインドとハートの純粋さを示しています。ヴィグネーシュワラを礼拝することにより、あなたも同様の純粋性を手に入れるよう努めなくてはなりません。

ヴィナーヤカはいつも静かで穏やかに見えます。どのような人生の浮き沈みがあろうとも、信者はヴィナーヤカの恩寵によって同様の平静さが得られるよう求めなくてはなりません。

翻訳:サティヤ・サイ出版協会
出典:Sathya Sai Speaks Vol. 22 C27
サイ ラム ニュース140号(2011年9・10月号)pp.7-8掲載

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