サイラムニューズ NO.71  

サイの御教え



バガヴァティ博士講演
「スワミの御教えすべての根底にあるもの」

平成12年1月23日、国連人権教育会議のために来日されたバガヴァティ氏より、
東京センターにおいて講演会が行われました。その内容を抜粋してご紹介いたします。

 

バガヴァティ氏プロフィール
国連人権委員会副委員長(アジア太平洋地域委員長)、元インド最高裁判所裁判長、
サティア サイ セントラル トラスト委員長

 

 謙虚なお祈りをサイの御足に捧げます。

 サイの兄弟姉妹の皆様、スワミは私たちは皆、神であるとおっしゃいますが、この世的な執着のためにそのことを忘れています。ですからスワミは、神であるすべての人を愛しなさいとおっしゃいます。

 私がどのようにスワミに出会ったかお話しします。三十年以上前、私がグジャラー ト州(インドの州の一つ)の裁判長であったとき、スワミが州都にいらっしゃること になりました。その頃、私はスワミのことはまったく存じ上げなかったにもかかわら ず、今から思えば不思議なことに、スワミを自宅にご招待したいという手紙を送りま した。それもスワミのご意志だったのでしょう。そしてスワミはそれに応じ1969 年5月15日、私の家にお泊まりくださいましたが、そのときの多くの人が集まった ダルシャン(神の御姿を礼拝すること)の様子は、生涯忘れることができません。こ の神の化身の特徴は、自ら外に出て人々と話し、目を見つめ、祝福と英知を与え、癒 すことです。そして一人一人が神の愛を直接感じることができます。スワミの目を見 た途端、その愛の無限の深さを感じ全託してしまいます。

 その日はまさに、そのような至福そのものの一日でした。 その後ダセラ祭(イン ド三大祭りの一つ。ラーマの凱旋を記念しその功績を称える)のために、シルディ ババ(神の化身サティア サイババ様の前世)の帰依者である高等裁判官の友人夫婦と、車でプッタパルティ(インド、アンドラプラデッシュ州、ババ様御生誕の地であり活動の本拠地)に行きました。その車の中でご婦人から、「病気のため手術をすることを恐れていましたが、シルディ ババが夢の中に顕れ、『手術をしても大丈夫』 と言ってくれたこと、そして無事手術も済んで元気になった」ということを聞きました。

 ダセラ祭では、スワミが壷の中からたくさんのヴィブーティ(神聖灰)を物質化し 、シルディ ババの像の上に振りかける所を目撃しました。その後、スワミは私たち 三名をインタビューに呼んでくださり、ご婦人に向かって「ほら、私が手術をしても 大丈夫と言ったでしょう」とおっしゃいました。スワミはシルディ ババの帰依者の 彼女には、シルディ ババの姿を取って顕れていたのです。

 その後スワミは、政府の科学顧問ヴァガバンタム博士を通じて、私をサティア サ イ セントラル トラストの委員に任命してくださいました。この高名な博士は、彼が 昔どのようにスワミが神であると信じるようになったか、二つの体験を私に話してく れました。

 ある日、スワミと博士がチットラバティ川(プッタパルティにある川)の砂浜で話 をしていたとき、スワミは『ギーター(ヒンドゥー教の聖典)』を読みたいかと突然 お聞きになり、砂を博士の手のひらに落とした瞬間、砂は『ギーター』の本に変わっ ていたそうです。

 もう一つは、ケララ州(インドの州の一つ)の州知事夫婦と博士が海辺で、「海の サンスクリット名が『宝石の生まれる所』であるなら、宝石が出るはずですね」とス ワミに言うと、スワミは海中に手を入れて小さな宝石のネックレスを取り出し、さら にそれを大きくして博士の首にかけられたそうです。

 次に私自身の体験をお話ししましょう。

 以前左膝の筋肉が割れ、その手術の前に祝福を求めてスワミの所に行ったとき、ス ワミは「どうして手術が必要なのですか? 必要ありません」とおっしゃり、ビブー ティを物質化し、三日間飲むよう言われました。手術を取りやめビブーティを飲んだ ところ、一週間で膝はすっかり回復しました。

 私の娘にも同じような体験があります。ある日馬から落ちた彼女は、右肘の骨が18片にも割れ、医者は40パーセントも回復しないだろうと言いましたが、すべての 医者の中の医者であるスワミの祝福を受け、6ヵ月後には100パーセント回復しました 。 このようなお話をするのは、スワミがどれだけ私たち帰依者にその愛を与えてくださっているか、祝福を与えてくださっているかをお伝えしたいからです。

 スワミは愛そのものの化身です。スワミは私たちに、何の見返りも期待しない無私 の愛をすべての人に与えなさいとおっしゃっています。
 スワミは「愛こそが神への近道です。皆を愛し、皆に仕えなさい。一日を愛で始め 、愛で過ごし、愛で終えなさい」とおっしゃいます。スワミの御教えすべての根底に あるのは愛のみです。その無私の愛から無私の奉仕が生まれます。助ける手は、祈る 唇より尊いのです。愛のない奉仕は奉仕ではありません。

 またあるとき、私はスワミに、「どのように瞑想すべきでしょうか」と尋ねました 。しかしスワミは、「あなたは瞑想には向いていません、他の人を助けなさい。奉仕 がより重要です」とおっしゃいました。それは瞑想をしなくても良いということでは なく、他の人を愛し奉仕することがより重要だということです。「自己向上のための 瞑想ではなく、インドで飢餓に苦しむ多くの人を助けなさい。彼らへの奉仕は神への 奉仕です」とおっしゃったのです。

 そのスワミの愛と奉仕のメッセージは、人類すべてへのメッセージです。キリスト やお釈迦様も同じメッセージを伝えました。どの宗教も根本は同じであり、スワミは 新しい宗教を作るために化身されたのではありません。ヒンドゥー教徒、キリスト教 徒、仏教徒、それぞれ自分の宗教を深め、他の宗教を尊敬することが大切です。

 人類の歴史にはスワミほどの事例はありません。スワミは海外はもとより、国内も ほとんど移動することはありませんが、その代わり、世界各国から何万人もの人が連 日スワミの元に集まります。そのような現象は理解し難いことです。

 スワミの原理は人間の理解を超えたものです。また世界中の帰依者は、スワミの遍 在の姿を自分のいる場所で感じるのです。

 スワミがもつ神聖原理には二つの特徴があります。スワミに出会った人の人生を変 容することと、エネルギーを物質化することです。プッタパルティに行くと、国、人 種、言葉、宗教の違う人々が集まっていますが、その相違がなくなり皆一つになって スワミの至福を味わっています。そのような憎しみ、暴力、怒り、苦しみのない、平 安と喜びの世界を作ることこそ、スワミが降臨された目的であります。

 私たちはスワミに最高の祝福をいただいています。第一に私たちが生きている間に 降臨されたこと、第二にサイが神であると分かる知恵を与えてくださったこと、第三 に神と共に過ごす機会を与えてくださったことです。ですからスワミに自分自身を捧 げ、スワミの愛を深く身近に感じましょう。忠実にスワミの御教えに従えば、暗闇か ら抜け出し光に到達できるのです。
                               サイラム


 

 


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