ガーヤトリー マントラは普遍的な祈りであり、
あらゆる地方、あらゆる宗教の人々が用いることができるものです。
ガーヤトリー マントラは、ヴェーダ シャラ、
すなわち“ヴェーダの教えの真髄”であると考えられています。
もし、ガーヤトリー マントラを定期的に唱えるなら、
ヴェーダを唱えることによって得られるすべての報いを手に入れることができます。
ガーヤトリー マントラは、内なる目を開いてブラフマンを実感認識することができるよう、
第三の目として皆さんに授けられたのです
サティヤ サイ ババ
ガーヤトリーは「サルヴァ デーヴァター スワルーピニー」(すべての神々の具現)と称されます。ガーヤトリーは以下の5つの顔を持つ(パンチャムキ)と言われます。
(1) オーム
(2) ブール ブヴァッ スヴァハ
(3) タッ(ト) サヴィトゥル ヴァレーンニャム
(4) バルゴー デーヴァッスヤ ディーマヒ
(5) ディーヨー ヨー ナッ プラチョーダヤー(ト)
ガーヤトリーを瞑想することで、5つの元素と、人体の5つの生気と、アートマを包み込んでいる5つの鞘を動かしている内なる本質を自覚できるようになります。
ガーヤトリー マントラは描写(称賛)、瞑想、祈りという3つの部分で構成されています。初めの9つの言葉は、ガーヤトリーの描写(称賛)に相当します。
.. (1) オーム:原初の音
(2) ブール:具現、体、地
(3) ブヴァハ:振動、生命力、空
(4) スヴァハ:放射、アートマ、天
(5) タッ(ト):「それ」、究極の実在
(6) サヴィトゥル:太陽の力、このすべてがそこから生じたところ、一切の源
(7) ヴァレーンニャム:最も崇拝に値する
(8) バルゴー:輝き、光
(9) デーヴァッスヤ:恩寵、神聖な
「ディーマヒ」は「~を瞑想する」を意味します。
神を描写し、神の栄光を列挙することによって、瞑想状態で心を静めることができます。そのとき人は神の恵みを請う権利を得ます。
ディーヨー:理智
ヨー:どうか彼(神)が、どうかこれ(神の光)が
ナ(ハ):私たちに
プラチョーダヤー(ト):呼び覚ます、鼓舞する、啓発する
「ディーヨー ヨー ナッ プラチョーダヤー(ト)」は、「しっかりした純粋な理智を授けてください」という神への祈りです。
夜の後に日が昇るように、ガーヤトリー マントラは無知の暗闇を払います。ガーヤトリー マントラの光線は、心と理性を照らし、理解と智慧と識別力を高めます。
「おお、母なる神様、私たちのハートは暗闇に満ちています。どうかこの暗闇を遠ざけ、私たちの内なる光を強めてください」
ガーヤトリー マントラは、有益なあらゆるものを授けます。ガーヤトリー マントラが唱えられると、様々な力がその人の内側から浮上してきます。ですから、ガーヤトリー
マントラを不用意に扱うべきではありません。ガーヤトリー マントラは正しく唱えないと唱える人を闇で包むという逆影響を及ぼします。けれども、愛をもって
唱えるなら、神はそれを受け入れます。ガーヤトリー マントラは、いつでも、どこでも唱えてかまいませんが、心の清らかさだけは確保しなければなりません。ガーヤトリー
マントラは静かに唱えて、内なる平安を感じることが勧められます。
他のマントラは、やめても、無視してもかまいませんが、ガーヤトリー マントラは決してやめてはならず、少なくとも1日に数回唱える必要があります。食器を1日3回洗う必要があるのと同じように、私たちの心も1日3回洗い清める必要があります。1日3度、夜明けと正午と日没時にガーヤトリー
マントラを唱える礼拝をトリカーラ サンディヤーと呼びます。このようにしてガーヤトリー マントラを毎日唱えることは、私たちが日々なしてしまう間違った行いの影響を軽減させるのにも役立ちます。ガーヤトリー
マントラを唱えることで、その日のカルマはその日のうちに償われ、そのおかげでカルマの負債を積むことがなくなります。ガーヤトリー マントラは少なくとも1度に3回、できれば5回(5つの生気の象徴)、9回(ブラフマン〔神〕の象徴)、あるいは21回(5つの知覚器官+5つの行動器官+5つの生気+5つの鞘+アートマ〔真我〕の象徴)と言うように、多く唱えることが勧められます。
「ガーヤンタム トラヤテー イティ ガーヤットリー」(それを繰り返し唱える者を守護するもの、それがガーヤトリー)と言われます。どこであれ、ガーヤトリー
マントラが唱えられる時、ガーヤトリーはそこにおり、唱える者を危害から守ってくれます。
参考文献
PDF版
『サイババの聖なるレッスン』(ダイアナ バスキン著)より「ガーヤトリー マントラの伝授」
『ヴィション・オブ・ザ・ディヴァイン』(E・B・ファニブンダ著)より「ザ・ガーヤトリー」
販売書籍
『リグヴェーダの至宝 ガーヤトリー マントラ』(サティヤ サイ ババ述、SSP刊)